もし誰かに
「究極の健康法を教えてください」と言われたら、「ゆっくり生きること」と私は即座に答えます。
「ゆっくり生きる」という言葉には、「健康のすべて」が集約されていると考えられるからです。
ところが、現代社会を生きる私たちはとにかく忙しい。
時間的、物理的に忙しいだけでなく「あれが心配だ」、「こんな悩みがある」、「気がかりなことがなくならない」など、精神的にも落ち着くことがありません。
私たちの体の調子を支配しているのは、自律神経。
心臓や胃腸を動かしたり、血液をつくり、血管の収縮を管理するなど、「自分では意識して動かせない部分」のすべてを担っているのが自律神経です。
この自律神経が乱れると、体の調子が悪くなり、果ては病気になってしまう。
多くの人が送っている「忙しく、落ち着かない日常」は、自律神経がもっとも乱れやすいライフスタイル。
心臓や胃腸の働きが悪くなり、血液の質が下がり、血流も悪くなります。
その結果、
心臓や脳の疾患、血管系の病気、胃腸のトラブルなどを、起こしやすくなってしまうのです。
本当の健康とは、良質な血液が細胞の一つひとつに十分に届いている状態。
これに尽きます。
そもそもどんな病気も、「血液の質と流れが悪くなる」という部分はすべて共通しています。
この血流の悪さというのは、
病気を引き起こすのみならず、日常的なさまざまなシーンでも悪影響を及ぼします。
たとえば、人間関係。
烈火のごとく怒る、猛烈に腹を立てるという状態。
怒っているとき、あなたの自律神経は大きく乱れています。
自律神経が乱れることで、血液はドロドロになり、血流も悪くなっています。
「怒る」という行為は、それだけで血液の質を落とし血管が収縮し、血流も悪くする。
怒りに限らず、不安や緊張でも同じことが起こってきます。
病は気からというように、怒りや不安、緊張などメンタルに変化が起こると、
その動きに体が敏感に反応し、本当に病気に近づいていってしまうのです。
一方で、
人は安心しているとき、適度に血管が拡張しスムーズに血液が流れる状態になっています。
まさに、ゆっくり生きれば、それだけ健康に近づくということです。
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